歯周病予防の大切さ

こんにちは。歯科衛生士の竹村若菜です。
今回のテーマは歯周病予防大切さについてお伝えします。

口の中での代表的な病気といえば虫歯、歯周病です。
もちろん口腔癌や粘膜の病気などもありますが、基本的には細菌感染によって虫歯、歯周病はギネスに載るほどの病気として人々を苦しめています。

しかし、世の中の科学の進歩により虫歯や歯周病から身を守る技術が開発され予防が確立されつつあります。
細菌のコントロールを上手に行えば虫歯、歯周病は防げる病気となってきました。
みなさん歯周病と一度は聞いたことあると思います。

では歯周病とはどんな病気か知っていますか?
あるテレビCMでは歯茎が熟れたトマトの様になってしまう、と表現しているものもあります。

実際どの様な病気かご説明します。


【歯周病とは?】
歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。
歯と歯肉のさかい目の清掃が不十分だと、そこに多くの細菌が停滞し、歯肉が赤く炎症を起こし、腫れたりします。
そして、進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなっていき、歯を支える骨が溶けて歯がグラグラ動くようになり、最後は歯を抜かなければいけなくなってしまいます。
歯周病の怖いところは、ほとんどの場合、痛みなく進行するということです。痛くならないと歯医者に行かない方は特に危険です。

【原因とこんな人がかかりやすい?!】
虫歯や歯周病の原因は、毎日食事をして食べたものが唾液により溶かされ、それが少しでも歯に残っていると、口の中の細菌が栄養源として繁殖し、プラークといわれる菌の塊になっていきます。
細菌は主に糖を栄養源としています。ネバネバした物質を作り出し、歯の表面にくっつきます。うがいをしただけではとれません。

虫歯、歯周病の予防は複雑なようでとっても簡単です。

第一に歯の周りに汚れを付けないことです。
実際、初診でいらした方の殆どが、毎日歯は磨いているけど、磨き残しがある状態です。
磨き残しの部分には既に歯ブラシでは取れないような硬い汚れ(細菌の塊)が付いています。
まずは歯科医院でご自身で取れない硬い汚れや、ケアできないところのクリーニングをすることと、再度汚れがつかないように、歯みがきの技術を身につけていただくことが大切です。

第二に生活習慣の見直しです。主に、食事・睡眠・運動のバランスです。
主に歯肉はタンパク質でできています。そのほかにも、代謝を助けるビタミンB群や、鉄、亜鉛などのミネラルも歯肉を作るには欠かせない栄養素です。
歯を支えている骨(歯槽骨)はカルシウムとビタミンDが主な栄養素です。
むし歯・歯周病菌は糖が大好きなので、甘い砂糖の入った食べ物やご飯も糖でできていますので、取りすぎには注意が必要です。
睡眠障害によるストレスや運動不足による代謝の衰えも、歯肉や骨を作る上では大変な問題です。
また、喫煙による血行障害により、十分な栄養が歯肉に行き渡らない、また唾液の分泌が抑えられるためプラークや歯石が付きやすいこともあります。
歯みがきや歯周病の治療に通っているので大丈夫だと思っている方は要注意です。

【なぜ予防しなければいけないのか・歯周病と全身疾患について】
歯周病により歯を失う割合は実に42%!
しかも国民の35歳の歯周病の罹患率は8割です。
親知らずを除いて人間の歯の数は28本あるのですが、日本人の80歳で残っている歯の数の平均は約15本。
一生涯で歯が半分になってしまう計算です。
あなたは将来歯を何本残したいですか?ちなみに私は全部残したいです。

また、歯周病になると医科の医療費が増える、という統計も出ています。
心臓に詰まっていたプラークを調べると、歯周病菌が発見された事例もあります。
歯周病の程度別年間医療費のグラフを見ていただいてもわかるように、歯周病がない方と、歯周病軽度から重度の方は約25〜30万円も医療費が高いことがわかります。
そして、歯のない無歯顎の方の医療費がダントツに高いことがわかります。

【28CliniCで行っている主な歯周病治療】
生涯二度と虫歯、歯周病にならないようにするにはどうしたらいいか?
ここからは28CliniCの歯周病治療・予防の流れを説明します。

28CliniCには予防プログラムという検査があり、自分のお口の中を知ってもらうために唾液を採取し細菌を培養し、食生活、食習慣、現在の歯茎の状態を総合的に分析・診断して、一人ひとりに合ったプログラムを作成して治療していきます。
このプログラムにより、実際に菌を目で見てお口の中に菌がどのぐらいあるのかご自身のお口の状態を把握していただくことが大事です。
内科に行ってもまず検査して現状を把握し、診断して行くのと一緒です。
※予防プログラムについての詳しい説明はこちら

そして、現状を知っていただいた上でご自身での歯磨きの仕方を指導させていただき、私たちプロが行うケアを充分に行っていきます。
私たち歯科衛生士は、拡大鏡とライトを使い口の中隅々まで汚れを取り綺麗にしていきます。

ですが、一度食事をすると再び汚れが付着してしまいます。
まずはご自身でのホームケアが超超超重要です!

文章にすると1行なのですが、これが中々習得できません、、
たかが歯磨き、されど歯磨きですが、、、
習得できないということは予防ができないということです。
また、習慣という壁が立ちはだかります。
今まで3分しか磨いてこなかった方がいきなり10分磨いてください。と言われてもその時間を取ってこなかったので歯磨きに時間を割くことができないことが殆どです。

患者の皆さんからよく言われることがあります。
『何回通えばいいの?』
『まだ終わらないの?』

なぜそんなに通う必要があるのでしょうか。

当院では次のように歯周病治療を進めております。

1回目:予防プログラムの資料どり

2回目:予防プログラムのコンサルテーション(診断の説明)

3回目:1回目の歯茎チェック
   1回目の歯磨き指導(主に歯ブラシ)
   下の歯スケーリング(クリーニング)

4回目:2回目の歯磨き指導(主に歯間ブラシ、糸ようじ)
   上の歯スケーリング

5回目:2回目の歯茎チェック
   3回目の歯磨き指導(磨き残しのあるところ)
   下の歯茎(歯周ポケットの中)の汚れ取り

6回目:4回目の歯磨き指導(磨き残しのあるところ)
   上の歯茎(歯周ポケットの中)の汚れ取り

7回目:再評価(最初の状態と治療後の比較)
   3回目の歯茎のチェック

7回目以降:1〜3ヶ月に1回の定期的なメンテナンスに移行

患者さんの歯茎の状態によって回数、時間が異なります。
特に5〜6回目は歯周ポケット内の汚れがひどい場合は歯1本当たり1時間かかることもあります。

プロの歯科衛生士としては歯の周りに汚れがなく、炎症のない歯茎になればOKという基準で診ています。

今まで歯磨き指導を受けていない方は一朝一夕で歯磨きが上手になりません。
習得や習慣にするには時間がかかります。

患者さんの歯茎が良くなるまで回数を通っていただき、その都度磨き方や汚れの残っているところを確認します。
そのためには、患者さんと歯科衛生士のお互いの確認の回数と時間が必要です。
これは私たちと患者さんが一緒になっての共同作業なのです。

そして再評価で歯茎の炎症が全体の20%以下、磨き残しのスコアも20%以下、歯周ポケットに炎症がないという状態が健康な状態です。
なぜここまで追求するかと言うと、これが虫歯、歯周病を作らない唯一の方法だからです。

お母さんのお腹の中にいる時から菌のコントロールを行って口腔内の菌が少ない状態であればリスクは激減して治療や予防にかかる時間が大幅に減ります。


あなたは将来、歯を何本残したいですか?
生涯どんなお口でいたいですか?
また、どんな人とどんな食事を楽しみたいですか?

28CliniCでぜひその夢を叶えてみませんか?

私も歯科衛生士として、皆さんの歯の健康のために勉強し続けたいと思います。

Scroll to top