新連載 【院長 野上宏明の描く歯科医療の未来 〜28CliniC〜】 第1回:28CliniCができるまで

本日から、28CliniCの歯科医師がそれぞれ新連載企画をスタートいたします。
毎週金曜日朝8:00に投稿いたしますので、お楽しみに!
今回は、28CliniC/野上歯科医院 三代目院長 野上宏明の連載第1回目です。

【第一回:28CliniCができるまで】

こんにちは。院長の野上です。

28CliniC はカフェ、歯科、内科、フィットネスの4つの部門を一つの施設で備えています。
今回はその成り立ちについて、お話しさせていただきます。

28CliniC/野上歯科医院は祖父、父、私と三代にわたる歯科医院で、昭和八年八月八日に祖父が開業し創業87年を迎えました。祖父の存命時によくしてくれた話しを思い出してみるとクリニックは患者さんが朝5時から順番待ちで外に並んでいたようです。今の時代のように歯科医院の数は多くなく予防の概念もなかった時代ですので、その時代は歯が痛ければ抜いて入れ歯というくらいしか治療のオプションがありませんでした。痛みや歯が無くて困っている方で溢れていたのでしょう。祖父は食事をする時間もままならず朝から夜まで歯科臨床に明け暮れていたようです。技工士さんもたくさん居ない時代でしたので入れ歯なども診療が終わった後に夜な夜な自ら作製していたとのことです。

父の時代からは少しずつ治療のオプションが増え始めて、被せ物や詰め物の種類や素材もたくさん増えてきました。しかし今のように虫歯や歯周病を完全に予防できる時代ではありませんでしたので治療してもまた虫歯になったり歯周病で歯を失う方は後を絶たず修復に明け暮れていた時代でした。父の時代の象徴的な治療はインプラント治療が登場し入れ歯でよく噛めなかった方が次々とインプラントを取り入れて自分の歯のように回復できるようになったのも昭和後期の父の時代からでした。今では考えられませんが、私が学生時代の二十数年前に毎日必ず2件のインプラント手術のアポイントが入っていたのを私もよく覚えています。

そして私の時代はというと、現在12歳児の虫歯の平均本数は0.8本・・・
1本を切っています。

日本に歯科医院がたくさんできて現在6万8千軒もあります。コンビニが5万6千軒ですので1.2倍も存在していることになります。駅前などパッと見渡して4〜5軒は目に飛び込んでくるほどです。これにより祖父の時代のように並ばなくても歯科医院を受診できるようになり、あまり歯が悪くならないうちに歯科医師がチェックできる状態が整ったので予防が普及する礎ができました。社会的には歯科医師、歯科衛生士が予防を普及して虫歯、歯周病などの疾患が減り、歯科医療費は減りました。素晴らしいことだと思います。

では、歯科医院経営的にはこの状態が何を表しているのかというと、今まで修復やインプラント治療によって無くなってしまったものを回復して治療して治療費としてお金をいただき売り上げを作ってきたビジネスモデルが、歯が無くならなくなってきたらどうなるのでしょうか。。。無理に削って、無理に抜いて治療することはできません。私は歯科医院としても機能はそのまま維持しつつ、通われる患者の皆さんが健康を維持できるクリニックにできないかと考えました。

話しは変わりますが、私自身は趣味でトライアスロンという、泳ぐ、自転車、走るという3つの競技を連続で行うスポーツを行なっております。この競技は長いものは12時間以上動きっぱなしという競技です。私はトライアスロンを通じて補給(栄養)と筋力の大事さを痛感しました。補給しながらであれば12時間の競技も難なくこなすことができます。しかし、補給しないと2時間も持ちません。。。この競技で実感したのは栄養が欠かせないと言うことです。言葉にするとそんなことかと思いますが、現代人は食べるために生きているのか、生きていくために食べてるのか分からなくなっているのが現在の食事情だと思います。トライアスロンのような極限状態に身を置いて改めて人間が動物として生きていくために必要不可欠な重要な要素だと気づきました。

2012年からトライアスロンを行なっておりますが2013年にオーソモレキュラー (分子整合栄養医学)という細胞内の栄養素を満たすことによって種々の病気の治療、予防するという医療に出会いました。この取り組みをトライアスロンに実践してみると、実践してない場合とした場合で練習中、レース中、レース後の疲労感、回復スピードが圧倒的に違うことに気づきました。これを日常生活にも応用したらどれだけ身体が楽になるのか考えました。極限状態ではないので体感は少ないとしても体に不可欠な栄養素を補給し細胞の状態を整えていたら免疫機構も正常化され病気にならない身体を作ることができるはず。

歯科医院は病気ではない方が定期的に通う数少ない診療科です。その歯科医院で私が実践してきた試みを来られる患者の皆さんにも啓蒙できたら病気になる前に予防できる。

と言うことで
・咀嚼、かみ合わせの管理
・食事、栄養(サプリメント)の管理
・消化吸収(内科的)の管理
・筋力の管理
を総合的に管理できるカフェ、歯科、内科、フィットネスを備えた予防型クリニック施設として28CliniCのコンセプトを考えました…。

続きはまた次回。

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