新連載【28CliniCの標準治療】 第1回:歯科治療 繰り返していませんか

皆さんこんにちは。
いつも28CliniCブログをお読みいただき、ありがとうございます。

28CliniCの「標準治療」
連載を書かせて頂くことになりました。
青山院・副院長 および 熊谷院・診療主任 の柳あさこと申します。

皆さんにとって、歯科医院とはどのような存在でしょうか。
・痛みが出たら(耐えられなくなったら)行くところ
・詰め物や被せ物が外れてしまったら行くところ
このような「トラブル」が起きたら行く、と考えている人は残念ながら少なくありません。

とある統計をご紹介します。2018年に歯科医師会は 歯科医療に関する生活者調査を行いました。
対象は15~79歳の男女10,000人。受診に関する質問において、「歯科受診はギリギリまで先延ばしにする派」(52.7%) といった調査結果が出ています。少し痛みが出ても、耐えられるなら先延ばしにしてしまう人が半数以上なのです。

また、自身の⻭や口の中の健康状態に関しては、「健康だと思わない」(57.2%)と回答しています。先ほどの「先延ばし派」だけでみてみると、「健康だと思わない」割合は67.4%にのぼります。
そして、ここ1~2年の間に⻭のトラブルにより「生活に支障がある」は全体の51.4%です。

昔、日本は「歯科先進国」であると言われてました。
しかし、この調査結果をみて皆さんはどう思われますか。国民の半数以上が、自分の口の中は健康ではないと思っているこの現状を受け止めなければいけません。

なぜ、歯科医院への通院を先延ばしにしてしまうのでしょうか。
理由は主に2つあるのではないかと考えています。

1.お口の健康を保つ方法やその意義を歯科医院で伝えられてないから
2.歯科治療への期待が薄いから

順に見ていきます。

1.お口の健康を保つ方法やその意義を歯科医院で伝えられてないから

皆さんは勤務先や市区町村で健康診断を受けていらっしゃると思います。さらに多くのことを調べるため人間ドックも追加される方もいます。なぜ、今症状がないのに病院に出向いて検査を受けているのでしょうか。
それは病気を未然に防ぐためです。病気の疑いありと診断されると、専門の医療機関への精密検査を勧められます。早期発見、早期治療の重要性は皆さんご存知の通りです。

それが、お口のこととなるとどうでしょう。
皆さんはお口の健康を保つために、どのようなことに取り組まれていますか。

お口の健康を保つためには、現在のお口の状況をよく把握し、自身のお口に合わせた歯磨きの方法、道具の選定、徹底的に口腔内細菌数を減らし、より虫歯になりにくい食習慣の構築、正しいかみ合わせ、正しい詰め物・被せ物、そして、歯科医院で専門のクリーニング( PMTC : Professional Mechanical Tooth Cleaning )を定期的に受けることが必要です。

皆さんは歯科医院でどのような「健康なお口」のための指導を受けてらっしゃいますか?どれか1つだけで維持することはできません。すべてのリスクを洗い出し、「なぜ今このお口の状態になったのか」「今後どうすれば再発しない・より良いお口になるのか」徹底的に調べた上で、治療された経験はありますでしょうか。

終戦後、日本には国民皆保険制度ができました。国民は平等に医療を受けることができる、これは諸外国と比較しても大変素晴らしい制度です。日本は歯科医療も健康保険にて受診することができます。歯科先進国と言われた由縁です。
しかし、ここには一つ問題があります。健康保険を利用しての治療する場合、まず「病名の登録」が必要になります。つまり、病気でないと保険診療で治療をすることができないのです。歯科で言えば「虫歯ができたら治療をする」「歯周病に罹患したら治療をする」を基本としています。

日本の保険制度の落とし穴は、「予防に対する概念が欠如している」ことです。人間ドックや健康診断に保険医療が使えないのはそのためです。予防的な検査やメインテナンスは、保険医療で網羅されていません。歯科医院を初診で受診して「3本虫歯があるので、今日(または次回から)治療をしましょう」と言われ、すぐ治療を行ったことのある人は少なくないと思います。「その歯が虫歯である」ことを調べるのは容易です。目視、またはレントゲン写真などですぐに分かります。
もちろん、お痛みがある場合は応急処置が優先されます。

しかし、このブログをお読みいただいてる皆さんには、そこから疑問に思っていただきたいのです。それは本当に正しいのでしょうか。治療の前に「なぜその歯が虫歯になったのか」「このまま治療をして虫歯の再発を引き起こさないか」をどこまで正しく把握できているかが問題なのです。当院は全体の診査診断が行われた上で、一番ベストな治療を選択したいと思っております。

通院を先延ばしにする理由 2.に移ります。

2.歯科治療への期待が薄いから

こういった経験はありませんか。
・数年前に治療したばかりの歯にもかかわらず「虫歯ができてますね」と言われた。
・不具合があっても「ここはもうどうにもならないですね」と言われた。
・歯科医院に何度も通ってるのに、良くなる兆しが無い。
・自分の悩みは解決できない/治らないと思っている。

こんな調子では、歯科医院に通う優先順位は下がって当然です。その悩み、ちゃんと精査されたことはありますか。虫歯になってしまった理由、歯磨きが下手だから、本当にそれだけなのでしょうか。根の治療、ずーっと通ってるのに終わらないのは何故でしょうか。インプラント入れたけどうまく噛めない、なぜでしょうか。

そもそも治療前に全体の検査は行われてますでしょうか。最良の計画に基づいた治療を行った上で「これ以上どうにもならない」のと、そもそも精査を行っていない治療では話が違います。
日本は諸外国と比較して、虫歯を治療することに抵抗のない国とも言われています。健康保険を使用する場合、自己負担が安価ですむからです。

その場を凌ぐための治療を求めている患者、経営のため保険での治療を急いで行う医院側は、残念ながら需要と供給が合っている状態です。
そのような、正しい順序を踏まない加療は、時に 負の連鎖 を生み出してしまうことがあります。
繰り返す虫歯治療、壊れてしまったかみ合わせ、全身のバランスの変化、影響が全身へ波及します。

歯科治療は不可逆的なものが多いです。一度削った歯は、二度と戻ってきません。だからこそ、受ける治療は、厳選して欲しいのです。自分の貴重な資源(歯)を、大切に想って欲しいのです。

今回ご紹介する最後の統計資料です。

「もっと早くから歯の検診・治療をしておけばよかった」(75.7%)


私からは、連載を通して 当院の「標準治療」を紹介させていただきます。

当院では、科学的な根拠に基づき、利用できる最良の材料・器具を用いて、最善の治療を提供し、患者利益を追求し続けています。
「お口の健康」を創り、それを保つためのプログラムは、オーダーメイドです。

嬉しいことに、沢山の患者さんからご好評をいただき、近くにお住まいの方だけではなく新幹線や飛行機を使って遠方からも通院いただいております。また、転居された後、お戻りになる患者さんも多いです。
スタッフ一同、ご期待に応えるべく全力投球で診療に従事しております。

当院では、お口の検査、現状把握、原因把握、治療計画の立案といった一連の流れを大事にしております。その根幹となるのは「予防」の概念です。正しい口腔内細菌のコントロールを大前提とし、一度治療した部位を「再治療」させないための工夫が、ここにあります。

また、栄養療法やメディカルフィットネスを完備しております。皆さんの全身の健康を、クリニックスタッフ全員で応援しております。

願うは、健康寿命の増進です。それは最終的に国の医療費の削減にもつながることでしょう。

みなさん、「健康」を探してみませんか?

第2回:歯科医院の選び方へ続く

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