【院長 野上宏明の描く歯科医療の未来 〜28CliniC〜】第4回:最期まで自分の足で歩くために

院長の野上です。

前回のブログでは28CliniCがなぜ分子栄養医学(オーソモレキュラー )を取り入れているかを取り上げました。今回はメディカルフィットネスについてお伝えさせていただきます。

歯科医院になぜフィットネス???

28CliniC野上歯科医院は歯科が母体です。
「先生はなぜフィットネスを作ったのですか?」
よく聞かれます。

私は、健康に生きていくためには以下の4つの要素が大事ではないかと考えました。

「食事・咀嚼(ちゃんと噛める)・消化吸収・自分の足で歩く筋力がある」

この4つが満たされていれば最期まで健康で生きていくことができるのではないか。
そんな仮説から28CliniCのコンセプトは生まれました。

今回は4つ目の『自分の足で歩く筋力がある』ということにフォーカスします。


筋力と寿命を考える

人間(ヒト)は大昔、狩猟して生活する動物でした。
「自分の足で猟をして、捕獲して、食べる」
この一連のことができなければ飢え死です。

現代では義足や車椅子、バリアフリーなどが進歩し、身体不自由になっても社会生活を営むことができますが、本来、動物の足が不自由になったら生きていけません。
さらに加齢に伴い、筋力の低下や関節などの痛みで歩行が困難な状態になると、体はどんどん衰弱する傾向にあります。

少し研究を見てみましょう。

イギリスのロンドン大学 Rachel Cooper博士の研究で、2,766人を対象に53歳時点での運動能力が低い人たちは優位に死亡率が高い
握力が1kg上がると全疾患リスクが3%減る
『アメリカン・ジャーナル・オブ・エピデミオロジー』
週二回以上筋トレをしている人は、していない人と比べ全死因における死亡リスクが23%低く、癌による死亡リスクは31%低かった。
ペンシルベニア大学
65歳以上の高齢者のうち筋トレを行なっている人はそうでない人と比べ全死因リスクにおける死亡リスクが31.6%低い

このように、筋力と寿命の直接的な関係に対して、たくさんの報告が出ています。

私は筋力を維持するためにも定期的にマラソン大会やトライアスロンの大会にエントリーしています。大会を目標にトレーニングをすることで筋力を維持し、健康増進に努めています。
「ただ動けばいい」わけじゃない。

しかし、ここで重要なのは「運動の方法」です。
今まで運動習慣のない方がいきなり運動すると体を壊してしまう可能性があります。
「どこで何をどう行うか。誰に指導を受けるか」によって、トレーニングの質は大きく変化します。

私は今から12年前の2009年に行われた東京マラソンに出場することを決めトレーニングを開始しました。高校時代こそテニスを行なっておりましたが、社会人になってからは運動習慣がほとんどありませんでした。練習を開始してから3ヶ月経った頃に脚を痛めてしまいました。体の軸がぶれている状態で走っていたので膝に負担がかかりすぎてしまったのです。結局練習もままならず大会には参加したのですが、最初から最後まで足の痛みと闘う苦しい苦しい初フルマラソンでした。

その反省から専門家に身体を診てもらい整えてもらってからは、走る際にも痛みを伴うことは無くなりました。
ですので、その苦い経験から私たちのクリニックでは専門家に身体を整えてもらい運動処方(トレーニングのメニュー表)を作成してもらった上でトレーニングする。ということを推奨しております。


「メディカルフィットネス」の強み

では、なぜ私たちのクリニックがメディカルフィットネスなのでしょうか。
一般的なフィットネスと何が違うのでしょうか?

『メディカルフィットネスとは』
一般的には病院・診療所に併設されている運動施設で、正式名称を『疾病予防運動施設』といいます。
運動処方箋を元に、健康運動指導士が個別に運動プログラムを作成する為、通常の運動施設以上に安全な運動方法が提供される施設とされています。通常のフィットネスではトレーナーは在籍していても専門家がいない場合も多く、より安全に効果的なトレーニングができるのがメディカルフィットネスとなります。

当院のメディカルフィットネスの目指すところは、「健康寿命」の延伸です。

マッチョになりたい人、ダイエットしたい人、運動不足を解消したい人だけではなく、介護されるのをなるべく防ぎたいと考える高齢の方にも安全に利用していただいてます。

全身の筋力に加え、3階歯科部門と連携して「口腔の筋トレ」、『スマトレ』も行なっています。発声や顎の発達に良い影響がありますが、誤嚥性肺炎の予防として非常に効果的です。

是非皆様も健康を維持するため、病気の予防のために自分で歩く筋力を維持、向上させて生活の質を保ち、ピンピンコロリを目指していただきたいと存じます。

次回は『心の健康』についてお伝えいたします。

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