連載【28CliniCの標準治療】第5回:継続は力なり 歯科医院でのメインテナンス

皆さんこんにちは。
いつも28CliniCブログをお読みいただき、ありがとうございます。

青山院・副院長 および 熊谷院・診療主任 の柳あさこと申します。

前回は、治療計画の概念、そして治療に向けた一連の流れに関して紹介させていただきました。

第4回はこちら

治療が終わった後、みなさんは理想のお口を手に入れられたことと思います。
今回はそのお口を永く快適に機能させるために必要な「メインテナンス」に関してです。

目次

  1. 健康なお口の記録を作ります
  2. メインテナンスを始めましょう
  3. インプラントの予後が良い理由
  4. 歯科は珍しい診療科


1,健康なお口の記録を作ります

治療、お疲れ様でした。

皆さんの理想のお口が完成しましたら、まず行うことがあります。
「治療後検査」です。

30分ほどお時間をいただいて、口腔内の写真や型取りを行います。
これらの資料は、治療終了時点のお口の中の情報として当院に保管します。
また、術前と比較してみていただくことも可能です。

これにより、治療計画に基づく旅の始まりと終着点を明確に比較することができます。

2,メインテナンスの重要性

治療終了後は、メインテナンスで数ヶ月おきに通院をいただきます。

多くの方は、当院の口腔衛生指導(歯磨きの仕方)を通じてブラッシングをマスターされます。
これはPCR(歯の表面に歯垢が残っている割合)というスコアや、歯茎の炎症を見ながら判定します。
通院によってお口の中の関心が高まった方は一生懸命磨いてくださいます。
それを習慣として修得された方は、治療終了後も非常に良い状態を維持されています。

お勧めのメインテナンスの頻度は、3ヶ月毎です。

研究にて、3ヶ月ごとにメインテナンス(専門的なクリーニング)を行えば、たとえご自身でうまく磨けていない所が一部あったとしても、急に重症化して歯を支持する組織を喪失するリスクを避け、歯を維持することができると言われています。
また、3ヶ月というのは沈着したプラークが石灰化し硬くなる前に除去できる頻度でもあります。

私たちも実感として、3ヶ月はお口の中の健康を保つのに非常に良い頻度だと思っています。
また、年に1回はレントゲン写真を撮影し、歯茎の下の骨や周囲組織に異常は起きていないかを確認することで安心して日々お過ごしいただけるのではないかと考えています。

しかしごく一部の患者さんにおいて、治療終了後、残念ながらお口の中の細菌(歯垢)が増えてしまう方がいらっしゃします。
磨くことに注力を注げない(歯磨きが面倒、上手でない)方だけではありません。
 ・手が不自由になってしまった
 ・加齢や認知症によりご自身で最後まで仕上げることが難しくなってしまった
等も含みます。

その場合は、メインテナンス頻度をもっと短くして毎月ご来院いただいています。

「たくさん教えてもらったけど、自分はあまり歯磨きが得意じゃないので毎月きます」
こういう方もできる範囲でセフルケアを行っていただいて毎月お越しいただいています。

このように当院では一人一人にあったメインテナンス期間をご案内しています。

しかし、最悪のケースとしてはメインテナンス通院が途絶えてしまう方もいらっしゃいます。
当院から「メインテナンスの重要性」は必ずお伝えしています。しかし、伝え方が不十分でご理解いただけなかったという意味ではこちら側にも落ち度があるのかもしれません。

最悪なのはここからです。

十数年後、「痛みが出てきた」で久しぶりにご来院をいただくケースです。
事実としてご紹介しますが、残念ながら年に数例あります。

痛みの原因は主に4つかと思います。
 a,虫歯ができてしまった
 b,歯周病になってしまった
 c,インプラントを支えていた骨が溶けてしまった
 d,歯が破折してしまった

細かくみてみましょう。

a,虫歯ができてしまった

多いのは歯と歯の間、そして歯と歯茎の間などです。
歯ブラシの毛先が届きにくい部分や、補助道具(フロス、歯間ブラシ)の使用を推奨している部分などです。
あとは歯の表面にある微小なクラック(エナメル質にみられる亀裂)から虫歯が進行してしまったケースなどもあります。

どれも、メインテナンスで来院いただいていれば早期発見可能なものです。

b,歯周病になってしまった

プラーク(歯垢)が固くなり、歯石になり、さらにそのざらざらした表面にプラークが付着し、周囲の歯茎に炎症が起こります。

定期的なメインテナンスで歯石の除去、バイオフィルム(細菌が層をなし歯の表面にくっついている)の除去を行えば予防することが可能です。

c,インプラントを支えていた骨が溶けてしまった

天然歯と歯茎や歯槽骨の間にはそれぞれに接着様式があり、外界から菌が侵入するのを防いでします。しかし、インプラント体と骨は直接接しているため、細菌の侵入を防ぐ機構はありません。
よって天然歯よりも一気に周囲の炎症が進行します。
それをインプラント周囲炎と呼びます。

d,歯が破折してしまった

これは偶発的な事故(打撲など)のときもありますが、噛み合わせが原因であったり、はじめは微小でエナメル質の範囲内であった亀裂が徐々に広がり破折に至ることもあります。
もちろん、歯としての寿命であることもありますが、事前に把握し噛み合わせの調整や亀裂を包むように被せ物を行うことによって予防できる場合もあります。


3,インプラントの予後が良い理由

当院のインプラントはトラブルが少ないと、紹介で遠方からも多くの患者さんに来院していただいております。大変嬉しく思います。

実は、予後の良いインプラントのために、当院が大事にしていることがあります。

それは「いかにメインテナンスしやすい状態に持っていくか」です。

そのためには周りの歯茎の量、形態が非常に重要です。当院では1次手術(インプラント体埋入)の数ヶ月後に行う2次手術(インプラントの上の被せ物の型取り)にて、歯茎の移植を必要のある患者さん全員に行います。
追加の料金はありません。

歯茎を移植する理由は、それがインプラント部分のメインテナンスにとって有利となるからです。
インプラント周囲の歯茎は、固く厚みがある方がメインテナンスしやすくなり、かつ内部に汚れも入りにくくなります。
そのため、2次手術における歯茎の移植を私たちは重要視しています。麻酔をしっかり行い、術後に痛み止めもお渡ししますので、気楽な気持ちで2次手術を受けていただければと思います。

また、奥歯のインプラントの上の被せ物は基本的にネジ留めとしています。
ネジ穴は樹脂で埋めて、いつもは目立たないようになっています。

その理由は、取り外して洗浄が可能だからです。
当院では患者さんの口腔清掃状態に合わせて、普段のメインテナンスとは別に、「インプラントオーバーホール」を数年に一度ご案内しています。

被せ物を一度外して、機械で洗浄を行います。また、お口の中のインプラントと被せ物が触れているネジ穴の内部も清掃します。それによってインプラント周囲の歯茎をより良い状態で維持することができます。

4,歯科は珍しい診療科

歯科は内科、整形外科、脳外科、皮膚科、眼科…といった他科と比較すると、異なる点があります。

他の診療科よりも

「健康な状態の人が予防のために生涯にわたって通う必要のある診療科

それが歯科です。

歯科の性質をさらに生かし、28CliniCでは栄養面(2階内科,1階カフェ)や、身体面(1階フィットネス)からも予防医療に取り組んでいます。

”ゆりかごから墓場まで” お口と全身の健康を守るために28CliniCをご活用ください。

お読みいただきありがとうございました。

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